「神無月」陰暦十月の呼称。「神の月」即ち「神祭りの月」の意。
全国の神々が出雲大社に集まって諸国が神無しになる月だと信じられていた。
「観月の宴」陰暦では満月の夜が季節の折り目の中心となり、重要な行事が行われた。中
国の唐の時代、仲秋の名月として満月を賞でる習慣があり、枝豆と鶏頭の花を捧げ月に祈
り詩歌管弦を楽しんだ(仲秋節)。この行事が平安時代に伝来し、貴族の間で「観月の宴
」が催された。室町時代になると、芋や栗を供えて収穫に感謝
する習慣とともにお月見が庶民の間にも定着していった(十五夜、十三夜)。
石草流とは
連綿と受け継がれてきた
日本のゆかしい“花の文化”には
- 世界に通じる様式美としての和
- 食と暮らし方の深みと豊かさ
- 心、体、脳の癒し
といった今の暮らしに取り入れたい要素が多くあります。
日本古来の風習を踏まえ、野山にあるが如く自然を写す「石草流」の花は、自由な発想でダイナミックな空間を醸し出す独創性と現代の暮らしにも十分調和する上品な美しさを併せ持っています。
特に色彩の取り合わせに気を配り、リズム感と余白の美を尊重し、格調高く生けることを旨とします。
さらに「石草流生け花」は創流以来、ホテルや企業のロビーなどオープンスペースにおいて生け込むプロセスや姿を全て公開し皆様に御覧いただくという独自の演出スタイルを確立しております。これを私共では「現代の花所望」と名付けております。室町時代に花道の“原点の花”として大成された「立花立華花所望」の伝統を踏まえ、両者の「花所望」の融合を図り育てておくことを本願としています。
これら「石草流生け花」の新年は、私共社中の者がプロ集団として育っていく上でも大きな機能を果たす拠りどころとなっております。
石草流が大切にする
3つの観点
- 心とかたち
- 基本をしっかり学ぶ「花」とは心の花、美しい花
- 深みと豊かさ
- 空間の捉え方、間合いと色調
- セラピー
- 人と心根、信条、人品を育てる
3つのスタイル
立花立華
生花の原点である「立花」「立華」は安土桃山時代から室町時代におこった花の形式。古代の自然崇拝による神に捧げられた花と、仏教が伝来されたときの仏に対して祀る花とが合一されて「立花」が生まれました。その後、桃山時代から江戸中期に書院造りの床の間という座を得て「立華」という花型をもった最も古い、いけばなの様式が誕生しました。
格花(葉蘭)
「立華」があまりにも複雑になり過ぎたために、そのスタイルが簡略化され、江戸中期から明治後期になって「格花」が生まれました。「立華」を左右に分けた単純な花型をもち本勝手、逆勝手という言葉は花の世界の人々に広く認識されています。
盛花瓶花
戦乱のときを経て、人々は安寧の心を求め茶道文化が流行し、型や道具にこだわらない簡素な「茶花」が尊重され、花留を使わない花道の一分野を築きます(抛入投入花)。明治時代になると、剣山を使用し器に花を自由に盛り込むように生ける盛花瓶花が盛んになってきました。